人工知能特論2009
　(2009 by 東京工科大学大学院　亀田弘之)

人工知能に関する研究は盛んに行われ多くの研究成果が得られている。本講では人工知能関連の研究の成果の内、その根底を支えている論理に関する基礎理論を基礎から丁寧に講義する。具体的には、命題論理・述語論理それぞれに関して、論理体系構築法・論理の完全性・推論とその健全性・解釈とモデル・冠頭標準形・スコーレム化・レゾリューションの説明をする。
また、近年急速に発達している帰納推論に関して、帰納論理プログラミングの基本的考え方・現状および動向について紹介する。

レポート課題：

• 課題の内容：　論文「Inverse entailment and Progol」の３５ページから３７ページにわたって
  　　　　　　　　　記載されている以下の部分を翻訳しなさい。
  　　　　　　　　　　　Appendixes
  　　　　　　　　　　　A Denitions from logic
  　　　　　　　　　　　　A.1 Formulae in rst order predicate calculus
  　　　　　　　　　　　　A.2 Substitutions and models
  　　　　　　　　　　　　A.3 Resolution
  
  
• 提出先：　研A６階CS学部事務室そばのレポート提出用ボックス
  　　　　　　（研Aの八王子側のエレベータで６階に行き、降りたらすぐ右手側に行くと
  　　　　　　　窓際にレポート提出用ボックスがあります。）
• 提出方法：　A4レポート用紙。表紙には、学籍番号と名前を大きめにはっきりと書くこと。
  　　　　　　　　また、課題名「人工知能特論課題」も記載しておくこと。
  　　　　　　　　枚数等は特に制限はない。内容がわかるように翻訳してください。
  　　　　　　　　英文の内容は基本的に授業でやったものですが、
  　　　　　　　　訳語がわからない場合は、無理に訳さずに英語のスペルをそのまま使うか、
  　　　　　　　　単にカタカナにするかしておください。
• 提出期限：平成２２年２月９日２２時まで
• 注意：　M２の諸君は忙しい時期ですので、無理のない範囲で作成してください。未提出だけは避けてください。

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1. 論理・言語・思考そして人工知能 （資料No1）

   • 論理アプリケーションのデモ
   • 論理の歴史・意義
   • その他
2. 命題論理式の導入（資料No2）(資料No.2 修正版)
   • 古典論理と非古典論理
   • 命題論理 (propositional logic)
   • 解釈 (interpretation)
   • モデル(model)　など
3. 命題論理(資料No2 論理式・解釈・モデル＋ちょっとだけ推論(第４版)
   　　　　　　　 資料No3. 推論・modus ponens・証明・節・節集合・resolutionなど
   
   • 論理式
   • 推論
   • Model（解釈）
   • 標準形
   • Resolution
   • 応用例（決定木） <=後日
   • 命題論理の限界 <=後日
4. 述語論理(資料No4)
5. 演習（11月6日）
   • ここまでの知識を確認するために、演習を行う。
     （用紙は授業中に配布しますので、筆記用具を用意してください。）
6. Prenex Conjunctive Normal Form & Skolem Standard Form (資料No5Ver1)
7. 前回の続き＆Herbrand Models (資料No6Ver1)
8. Herbrand Models（再）+代入（資料No7Ver1）
   * 練習問題Ver0
9. 述語論理におけるResolution + Unifier + Prolog など
   * 講義資料
10. Prolog入門＋機能論理プログラミングの紹介
    * 講義資料
11. 全体のまとめ
    * 講義資料　Progolのプログラム Progolのシステム
    * レポート課題 <= 1月13日にここにアップします。
    

**** (以下に、過去の実績を参考までに記載しておきます) ****

1. 命題論理(資料No2 論理式・解釈・モデル＋ちょっとだけ推論(第４版)
   　　　　　　　 資料No3. 推論・modus ponens・証明・節・節集合・resolutionなど
   
   • 論理式
   • 推論
   • Model
   • 標準形
   • Resolution
   • 応用例（決定木）
   • 命題論理の限界
     
2. 述語論理 (資料No.4,　資料No.5, Prolog(1))
   • 論理式
   • 推論
   • Model
   • Resolution
     
3. 標準形とモデル
   • 和差標準形と積和標準形
   • 冠頭和積標準形(Prenex Conjunctive Normal Form)
   • Skolem標準形
   • Herbrandモデル

4. Resolution (資料No.Ver1)

   • Substitution（代入）
   • Unification（同一化）
   • 高速化手法
     • Linear Resolution
     • Input Resolution
     • SLD （Linear resolution with a Selection function for definite clauses）

5. DeductionとInduction

   • 演繹推論の限界
   • 科学的発見と帰納推論（ミルなど）
   • 帰納推論と発想推論
   • Inductive Logic Programming(ILP)

6. Logic Programming(1)

   • プログラミングパラダイム（手続き型・論理型・オブジェクト指向型）
   • Prolog入門(1)
   • unification(再)
   • Prolog処理系の紹介

7. Logic Programming(2)

   • Prolog入門(2)
   • プログラミング練習

8. Inductive Logic Programming(1)

   • Induction
   • ILP処理系の紹介（暫定資料　および　この資料の10.21部分　など）
   • ILP応用例紹介 (参考資料)　＜＝　ILPに興味ある人は必ず読むこと．

9. Inductive Logic Programming(2)

   • Progolの使い方入門 (参考資料)

10. Inductive Logic Programming(3)

    • Hyperの紹介
    • Hyperの使い方
    • Alephの紹介　（参考資料）
    • Alephの使い方

11. 論理ベースの人工知能システムの紹介

    • データマイニングへの応用
    • 言語処理系への応用
    • 文法獲得への応用
    • 知識獲得から技能獲得へ（手・チェロ）

12. 新たな人工知能を目指して

    • 論理・心・脳
    • ロボットと知能エージェント
    • 知とは何か
    • 知識とは何か
    • 論理の拡張（高階論理・様相論理・時相論理・多値論理）
    • 応用例（ＴＭＳ・デフォールト推論など）
    • 論理学の限界（不完全性定理）

練習問題　No1
　　　　　　　（追加問題作成中）

参考文献

1. Uwe Schoening. Logik fuer Informatik. 5. Aufl, Spektrum,2000.
2. 溝口理一郎. オントロジー工学. オーム社, 2005.
3. 有本卓. Dexterity. （書誌情報調査中）
4. （亀田研究室のためのサイト）
   

レポート課題
　　次の２つの課題を１つに閉じ，期限までに所定の場所に提出すること．
　　課題A：下記のサイトに格納されている論文のうちから１を選び要約せよ．（要約文は日本語でも英語でも可）
　　課題B： この論文の付録A(p.35-37)を（できるだけ読みやすい日本語に）丁寧に全訳せよ．
　　　　なお，いずれの課題においても，手書きを可とします．また，専門用語・学術用語の訳が分からない
　　　　場合は，当該英単語をカタカナで表記することも可とします．
　　提出期限：平成20年２月13日(水)研A６階レポートボックス（八王子よりのエレベータを降りて右手窓際）
　　書式：A4のレポート用紙を用いる．表紙を付ける．表紙には氏名・学籍番号・提出日を大き目の字ではっきりと　
　　　　　　記入のこと．課題Aと課題Bは１つに束ね，ホッチキス等でしっかりとめること．
　　（注）締切りを過ぎると成績報告期限に間に合いませんので,締切り厳守でお願いします．